「んんっ……んっ……はぁはぁ……あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛ぁ゛ンンッ!!」 |
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頭を思いっきりハンマーでどつかれたような、 そんな大きなショックを受けて体がぶるぶると震えてしまう。 【美菜】 「み、美作さん? う、うそっ!?」 【真琴】 「……み、美菜!?」 私の後ろで目を見開いて驚いている少女―― かつて私が助けた、元クラスメートだった。 【美菜】 「うわぁ……美作さんがあんな変態になっているなんて―― 私、見損ないました!!」 【美菜】 「こんな変態に助けられた自分が恥ずかしいです!!」 【真琴】 「そ、そんな……わたしは……」 【美菜】 「二度と私に近づかないで下さいっ!! 汚らわしいっ!!」 【真琴】 「うううっ……うっ……クッ……んんっ……」 【真琴】 (私……何やってんだろう?) この子を救うために、自分を犠牲にして―― でも、今、この子が私に向けている感情は感謝とかじゃなくて 憎悪と嫌悪―― 【真琴】 (挙げ句の果てに、私は帰る場所をなくしてしまった……) 私に一番懐いてくれていた倉子も呆気なく離れていった。 そして、美菜は私を汚ないものを見るような目でじっと見ている。 終わっていた―― もう私には何にもない―― キックボクシング女子世界チャンピオンだったことも―― そして大切な友達も―― 全部、全部、消えてなくなってしまった。 |
ありとあらゆる侮蔑の言葉がどんどん頭に入ってくる。 それを聞く度に体がどんどん熱くなってきて……。 何もかもがどうでもよくなったら、これまで感じたことのない 大きな絶頂感を感じるようになってきた。 信じていた者に裏切られ、絶望のあまり絶頂の道を 選ぶことに。 |